岐阜高専 元電気情報工学科教員 北川惠一先生
数学と電気特に電気磁気学と電気回路についてのアンケートを求めておられるとのことです。当電気情報工学科の実状について、
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電磁気学とベクトル解析については 当学科の稲葉が直接回答することになっています。
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電気回路につきましては以下に回答します。
基本的には、電気回路を教えるために数学の教え方及びその進度など余り考慮していません。(当てにならない)
当科の電気回路は 2年から始めています。
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三角関数を 数学で学んでいても使いこなすことができません。
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X、Yなどを使った連立一元方程式が解けるかも知れませんが文字の異なる ,I2,I3・・・・を未知数にした方程式を早く、正確に解けない。
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複素数は数学で学ぶよりも早い時期に使う。
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微分方程式も十分理解できていない。
このようなことを挙げれば、キリがありません。
電気工学を学習させるためには、電気回路知らずに次の教科へ進むことは困難です。
では、どのように対処しているか
電気回路の授業に必要なことは、時間中に数学の必要なところを教えて、その後 電気回路を教えています。従って、冒頭のような結論になります。決して、数学を無視しているわけではありませんが、学習の進度との関係で必然的にやらざるを得ないことになります。
一言 数学的な考え方は、数学の時間にキチンと聞くように指導してから、理学的な考え方と工学的な考え方を整理して、電気回路に必要な数学は一つの道具として、使いこなせるようにしています。
数学の先生の中には、数学のみを教え、工学を学ぶ学生であることを忘れている人がいる。このことについては長くなりますから省略します。
電気回路の勉強をするために、数学を一生懸命に勉強していたら時間が掛かりすぎると思います。数学の先生がもっと学生のレベル合わせて、教育効果を高める努力が不足していると私は思う。
以上 当電気情報工学科の電気回路に関する数学の対処方を述べました。これは応用数学においても同じことであります。